「母が、もう一度だけ兄に会いたいと言うんです」
今回の相談は、20年以上連絡を取っていない兄を探したいという60代男性からのものでした。
兄とは、父親が亡くなったときに相続関係で一度だけ所在が分かったことがありました。ただ、その後は連絡を取らないまま時間が過ぎ、当時分かった住所も今では使えない情報になっていました。
兄弟の間には、過去の事情もありました。家族に迷惑をかけた時期があったことから、相談者自身も積極的に探すことをためらっていたそうです。
それでも、高齢になった母親が兄のことを何度も口にするようになりました。
「元気でいるのかだけでも知りたい」
「できることなら、もう一度会いたい」
母親のその言葉を聞くうちに、相談者は「母が元気なうちに兄を探したい」と考えるようになりました。
この記事では、20年以上会っていない兄を探し、手紙をきっかけに連絡が取れた兄弟探し・所在調査事例を紹介します。
目次
20年以上会っていない兄を探したいという相談
相談者は埼玉県在住の60代男性です。探していた相手は、20年ほど音信不通になっていた実の兄でした。
相談内容の概要
- 相談者:60代男性
- 居住地:埼玉県
- 探している相手:兄
- 対象者:60代男性
- 会っていない期間:約20年
- 目的:兄の生存確認と高齢の母親との再会
- 主な情報:氏名・生年月日・旧実家・20年前の住所
- 相談時の希望予算:50万円くらい
相談者と兄は、長い間連絡を取っていませんでした。
父親が亡くなった際、相続関係の手続きで兄の所在が一度分かったことがありました。しかし、そのときに継続的な連絡を取ることはなく、また時間が経ってしまいました。
兄の現在の住所を知っている親族もおらず、相談者自身で探すにも、手がかりは20年前の住所と基本情報だけでした。
兄を探したいと思ったきっかけ
兄弟姉妹を探す理由は、相続や手続きだけとは限りません。
今回の相談では、高齢の母親の存在が大きなきっかけでした。母親にとっては、どれだけ年月が経っても、兄は自分の子どもです。
高齢の母親が兄に会いたがっていた
母親は高齢になり、兄のことを気にするようになっていました。
過去に家族へ迷惑をかけた時期があったとしても、親にとって子どもは子どもです。相談者も、母親の気持ちを見ているうちに、兄を探すことを現実的に考えるようになりました。
「母が元気なうちに、もう一度会わせてあげたい」
その思いが、今回の調査相談につながりました。
相続時に一度だけ住所が分かっていた
兄の住所は、父親の相続時に一度だけ分かったことがありました。
当時は司法書士を通じて戸籍関係の確認を行い、兄の住所も判明しました。しかし、それから20年ほどが経ち、当時の住所はすでに古い情報になっていました。
過去に分かった住所があっても、現在も同じ場所に住んでいるとは限りません。転居や生活環境の変化によって、古い住所だけでは連絡が取れないこともあります。
ほかの兄弟も現在の住所を知らなかった
兄弟姉妹の誰かが連絡先を知っていれば、そこから話を進めることもできます。
しかし今回の事例では、ほかの兄弟も兄の現在の住所を知りませんでした。最後に分かっていたのは、20年前の住所だけです。
このような場合は、古い住所や生年月日、実家の情報などを整理し、現在につながる手がかりを一つずつ確認していく必要があります。
相談者が持っていた兄の情報
兄弟姉妹の所在確認では、最初に持っている情報を整理することが重要です。
名前だけでは難しい場合でも、生年月日や過去の住所、旧実家などが分かると、確認できる範囲が広がることがあります。
相談者が把握していた情報
- 兄の氏名
- 兄の生年月日
- 旧実家
- 20年前に判明した住所
- 父親の相続時に住所が分かった経緯
- 現在は過去の住所に住んでいない可能性が高いこと
氏名と生年月日
兄の氏名と生年月日は、所在確認を進めるうえで重要な情報でした。
同姓同名の人がいる場合でも、生年月日が分かることで対象者を絞り込みやすくなります。兄弟姉妹を探す場合も、名前だけでなく、年齢や生年月日などの情報が役に立ちます。
旧実家と20年前の住所
旧実家や過去の住所も、調査の出発点になります。
もちろん、20年前の住所がそのまま現在の住所につながるとは限りません。それでも、過去の生活地域や転居の流れを確認する材料になります。
古い情報だから使えないと決めつけず、いつ頃の情報なのか、どのような経緯で分かった情報なのかを整理しておくことが大切です。
相続時に分かった過去の情報
父親の相続時に一度兄の所在が分かったことも、今回の調査では重要な材料になりました。
相続や戸籍関係で過去に確認した情報がある場合は、その時期、確認された住所、関わった専門家、手元に残っている書類などを整理しておくと、相談が進めやすくなります。
ただし、相続時に分かった住所が、現在も有効とは限りません。時間が経っている場合は、現在につながる情報かどうかを改めて確認する必要があります。
兄弟探し・所在調査の結果
今回の調査では、相談者から提供された兄の氏名、生年月日、旧実家、20年前の住所などをもとに、所在確認を進めました。
その結果、兄の現在の所在につながる情報を確認することができました。
古い住所をもとに現在の所在を確認
相談者は、兄が遠方に移っている可能性もあると考えていました。
しかし調査の結果、兄は過去の住所から大きく離れた場所ではなく、比較的近い地域で生活していることが分かりました。
古い住所でも、現在の生活圏を確認する手がかりになることがあります。特に、氏名や生年月日などの基本情報と組み合わせることで、確認の方向性を絞れる場合があります。
手紙を出したことで連絡が取れた
所在確認後、相談者はすぐに訪問するのではなく、兄に手紙を出しました。
長年連絡を取っていなかった相手に突然会いに行くと、相手を驚かせてしまうことがあります。まずは手紙で事情を伝える方法を選んだことは、現実的で負担の少ない進め方でした。
その後、兄から相談者の携帯電話に連絡が入りました。
20年以上連絡が取れなかった兄と、ようやく話すことができたのです。
高齢の母親と再会できた
兄と連絡が取れたことで、母親と会わせることもできました。
相談者は、母親を安心させることができたと話しています。
今回の調査は、ただ住所を知るためだけのものではありませんでした。高齢の母親の願いを叶え、長い間止まっていた家族の時間を少し動かすための所在確認でした。
兄弟姉妹を探すときの注意点
兄弟姉妹であっても、長年連絡を取っていなければ、現在の関係は人によって異なります。
相手にとっては、突然の連絡が戸惑いになることもあります。探したい理由が家族のためであっても、進め方には注意が必要です。
兄弟でも戸籍や附票を自由に取れるとは限らない
兄弟姉妹だからといって、相手の戸籍や附票を自由に取得できるとは限りません。
相続手続きなど、自己の権利行使や義務履行のために必要な場合は、請求理由を具体的に説明して取得できることがあります。一方で、「ただ連絡を取りたい」「今どこにいるか知りたい」という理由だけでは、役所で確認できない場合があります。
戸籍や附票の取得可否は状況によって変わります。必要に応じて役所や専門家に確認することが大切です。
相続目的と再会目的では進め方が変わる
兄弟姉妹を探す理由が相続手続きなのか、再会や生存確認なのかによって、確認方法や相談先は変わります。
相続が関係している場合は、司法書士や弁護士などの専門家と並行して進めた方が安全です。
一方で、再会や生存確認が目的の場合は、相手に負担をかけない連絡方法を考える必要があります。今回のように、所在が分かったあとに手紙で事情を伝える方法もあります。
過去のトラブルがある場合は慎重に進める
兄弟姉妹の間に、金銭トラブル、家族間の不和、長年のわだかまりがある場合は、特に慎重に進める必要があります。
探している側には再会したい気持ちがあっても、相手が同じ気持ちとは限りません。
今回の事例では、手紙をきっかけに連絡が取れました。ただし、すべてのケースで同じように進むわけではありません。相手の反応を見ながら、無理のない方法を選ぶことが大切です。
よくある質問
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Q20年以上会っていない兄弟でも探せますか?
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A氏名、生年月日、旧住所、実家、過去に分かった住所などがあれば、所在確認の材料になることがあります。古い情報しかない場合でも、いつ頃の情報なのか、どのような経緯で分かった情報なのかを整理することが大切です。
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Q兄弟姉妹でも戸籍や附票を取れないことはありますか?
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Aあります。兄弟姉妹だからといって、相手の戸籍や附票を自由に取得できるとは限りません。相続などの正当な理由が必要になる場合があります。役所で確認できない場合は、分かっている情報をもとに別の方法を検討します。
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Q所在が確認できたあと、いきなり訪ねてもよいですか?
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A長年連絡を取っていない場合、突然訪問すると相手を驚かせてしまうことがあります。今回のように、まず手紙で事情を伝える方法もあります。相手が落ち着いて返事をしやすい方法を考えることが大切です。
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Q高齢の親が兄弟姉妹に会いたがっている場合でも相談できますか?
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A相談できます。高齢の親がもう一度会いたがっている、生存確認をしたい、手紙を送りたいなどの相談はあります。ただし、相手にも現在の生活があるため、依頼目的や連絡方法を確認しながら進めます。
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Q兄弟探しは、どこまで調べるか相談できますか?
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A相談できます。氏名や生年月日、過去の住所が分かっている場合は、確認範囲を絞って進められることがあります。予算がある場合は、最初にどこまで確認するかを決めてから進めることも可能です。
まとめ|兄弟姉妹の所在確認は、古い情報の整理から始める
20年以上会っていない兄弟姉妹でも、氏名、生年月日、旧住所、実家、過去に判明した住所などが残っていれば、所在確認の材料になることがあります。
今回の事例では、高齢の母親が兄との再会を望んだことがきっかけでした。20年前の住所しか分からない状態でしたが、現在の所在を確認し、手紙をきっかけに連絡を取ることができました。
兄弟姉妹を探す場合は、相続目的なのか、再会目的なのか、生存確認なのかによって進め方が変わります。また、過去の家族関係や相手の現在の生活にも配慮が必要です。
古い情報しかない場合でも、まずは分かっている内容を整理することが現実的な第一歩になります。
この記事の監修者
株式会社Nitto(日東探偵社)本部
記事の監修担当者:獅子田純華
人探し・所在調査・家族関係の確認を中心に、相談内容に応じた事実確認を行う日東探偵社の監修担当者。
兄弟姉妹や親族の所在確認についても、依頼目的や相手方への影響を確認しながら、法令を守った範囲で相談に対応している。

