家出・失踪の理由とは?10代・大人・高齢者に多い原因と対応を解説

家出・失踪の理由を世代別に解説するイメージ画像

朝起きたら、机の上に置き手紙があった。
仕事に出かけたはずの夫が、夜になっても帰ってこない。
学校へ行った子どもと、夕方を過ぎても連絡が取れない。

家族や大切な人が突然いなくなると、頭の中は真っ白になります。「何か悪いことを言ってしまったのか」「今どこにいるのか」「事件や事故に巻き込まれていないか」。答えの出ない不安ばかりが浮かび、冷静でいられなくなるのも無理はありません。

ただ、家出や失踪は、本当に何の前触れもなく起きるとは限りません。あとから状況をたどっていくと、口数が減っていた、仕事や学校の話を避けていた、スマートフォンを手放さなくなった、財布や通帳だけがなくなっていたなど、小さな変化が見えてくることがあります。

そして、家出や失踪の理由は年代によって大きく異なります。10代であれば家庭や学校、20代・30代であれば仕事や恋愛、40代・50代であれば家庭責任や金銭問題、60代以上であれば認知症や孤独感が関係していることもあります。

この記事では、警察庁の統計をもとに、家出や失踪に至る理由を世代別に整理します。相手を責めるためではなく、本人が出していた小さなサインを見つけ、早期発見につなげるための考え方として読み進めてください。

行方不明者の人数と年代別の傾向

行方不明者の割合を示すイメージ画像

警察庁の資料によると、令和6年に警察へ行方不明者届が出された人数は82,563人でした。男女別では男性が52,502人、女性が30,061人で、男性の割合が高い傾向にあります。

年代別では10歳代、つまり10代の行方不明者数が最も多く、10代と20代で全体のおよそ4割を占めています。若い世代の家出や失踪は珍しいものではなく、家庭、学校、仕事、人間関係などの悩みが背景にあるケースもあります。

また、原因・動機別では疾病関係が23,663人と最も多く、そのうち認知症またはその疑いによるものが18,121人となっています。家出や失踪は若い世代だけの問題ではなく、高齢者の行方不明にも注意が必要です。

出典:警察庁「令和6年における行方不明者届受理等の状況」
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/R6_yukuefumeishakouhoushiryou2.pdf

10代の家出・失踪に多い理由

10代の家出や失踪を考えるイメージ画像

10代の家出は、周囲から見ると「反抗期」や「一時的な感情」に見えることがあります。しかし本人の中では、家庭、学校、友人関係、恋愛、SNSの悩みが積み重なり、逃げ場を失っていることもあります。

受験のプレッシャー、親との衝突、友人からの孤立、恋人とのトラブル。大人にとっては時間が解決するように見える問題でも、10代にとっては世界のすべてが崩れるほど大きな出来事になることがあります。

失踪前に、進路の話を避けていた、スマートフォンを見る時間が増えていた、急に泣いていた、学校へ行くのを嫌がっていた場合は、本人が何かに追い詰められていた可能性があります。

また、SNSで知り合った相手を頼って移動しているケースや、闇バイト、性的被害、誘拐、監禁などに巻き込まれているケースもあります。10代の失踪は「そのうち帰ってくる」と決めつけず、早い段階で警察へ相談することが重要です。

20〜30代の家出・失踪に多い理由

20〜30代は、仕事、恋愛、結婚、妊娠、借金、人間関係など、人生の変化が一気に重なる時期です。家族からは自立して見えていても、本人の中では誰にも言えない問題を抱えていることがあります。

仕事の失敗、職場での孤立、上司からの叱責、退職や転職への不安が重なると、会社にも家にも戻れなくなることがあります。無断欠勤が続いている、会社から連絡が来ている、仕事の話を避けていた場合は、職場の問題が関係しているかもしれません。

恋人との別れ、婚約破棄、妊娠、不倫、借金、家賃滞納、ギャンブル、投資失敗なども失踪の理由になります。部屋に督促状や請求書が残っている、通帳や財布だけを持ち出している場合は、金銭面の問題も確認する必要があります。

この年代の失踪では、「どこへ行ったか」だけではなく、「誰に知られたくなかったのか」「何から逃げようとしていたのか」を見ることが大切です。

40〜50代の家出・失踪に多い理由

40〜50代は、家庭でも職場でも責任が重くなる年代です。子どもの進学、住宅ローン、親の介護、職場での立場、事業不振などが重なり、本人が限界を見せないまま姿を消すことがあります。

夫婦関係の悪化、離婚問題、介護の負担、職場での評価低下、リストラ、事業資金の悩みなどは、家族に言い出しにくい問題です。家の中で会話が減っていた、仕事の電話を避けていた、請求書や税金関係の書類を隠していた場合は、背景を慎重に見る必要があります。

この年代の失踪で見落としてはいけないのは、「弱音を吐けなかった問題」です。責任感が強い人ほど、家族に心配をかけまいとして一人で抱え込み、ある日突然いなくなることがあります。

本人を責める言葉よりも、まずは何を抱えていたのかを整理することが、手がかりを見つける第一歩になります。

60代以上の家出・失踪に多い理由

60代以上の失踪では、孤独感、健康不安、認知症、生活環境の変化が関係することがあります。本人に「家出をした」という意識がないまま、外出先から戻れなくなるケースもあります。

特に認知症が疑われる場合は、家族だけで探すよりも、早い段階で警察に相談することが重要です。本人が昔の記憶を頼りに、以前住んでいた場所、昔の勤務先、なじみの店、親族の家へ向かっていることもあります。

また、「家族に迷惑をかけたくない」という思いから、誰にも告げずに家を離れてしまう人もいます。身辺整理をしていた、通帳や保険証券をまとめていた、別れを連想させる言葉を口にしていた場合は注意が必要です。

高齢者の行方不明は、時間が経つほど体力面の危険が高まります。薬を持っていない、財布やスマートフォンを置いたまま出ている場合は、すぐに警察へ相談してください。

家出・失踪が疑われるときに確認すべきこと

家出や失踪が疑われるときは、本人の直前の変化を時系列で追うことが大切です。最後に交わした会話、普段と違う態度、持ち出した物、消した履歴、会っていた人物には、失踪理由の手がかりが残っていることがあります。

まず確認したいポイント

  • 財布、スマートフォン、保険証、通帳、薬、充電器があるか
  • 着替えや身分証明書を持ち出しているか
  • SNSの投稿やメッセージに変化があるか
  • 通話履歴や検索履歴に遠方の地名や交通手段があるか
  • 最近よく会っていた人物や頼っていた相手がいるか
  • 仕事、学校、借金、恋愛、家庭内の悩みがなかったか

財布やスマートフォンを置いたままいなくなっている場合は、事件・事故・体調不良の可能性も考える必要があります。反対に、通帳や着替え、充電器などを持ち出している場合は、ある程度準備して移動している可能性があります。

警察へ相談すべきケース

未成年者、高齢者、持病がある人、自殺をほのめかしていた人、事件や事故に巻き込まれた可能性がある人は、早い段階で警察へ相談してください。

特に、薬を持たずに出ている、財布やスマートフォンを置いたままいなくなった、普段行かない場所へ向かった可能性がある、闇バイトや犯罪に関わる兆候がある場合は注意が必要です。

警察へ行方不明者届を出す際には、氏名、生年月日、顔写真、最後に確認された日時と場所、当日の服装、所持品、交友関係、持病、失踪につながる心当たりを整理しておくと、状況を伝えやすくなります。

ただし、成人が自分の意思で家を出ていると判断される場合、警察が家族へ詳しい所在を伝えられないこともあります。本人の意思やプライバシーが関係するため、警察に相談すればすべて解決するとは限りません。

探偵に相談する場合に準備しておきたい情報

警察へ届け出ても状況が動かない場合や、家族だけでは手がかりを追えない場合は、探偵への相談も選択肢になります。

探偵に相談する場面では、特別な証拠がそろっている必要はありません。むしろ重要なのは、家族だからこそ知っている普段の様子や、失踪前の小さな違和感です。

失踪前の言葉、行動、交友関係、金銭面、仕事や家庭の状況をできるだけ具体的に伝えることで、調査の方向性が見えやすくなります。

相談前に整理しておきたい情報

  • 本人の写真
  • 最後に連絡を取った日時
  • 最後に確認された場所
  • 当日の服装や所持品
  • よく行っていた場所
  • 交友関係や恋人の有無
  • SNSアカウントや投稿内容
  • 仕事・学校・家庭内の悩み
  • 借金や金銭トラブルの有無
  • 警察への相談状況

「関係ないかもしれない」と思う情報でも、原因を読み解くうえでは重要な材料になる場合があります。部屋に残されたメモ、日記、請求書、SNS投稿、通話履歴なども、行き先を考える手がかりになります。

まとめ

家出や失踪は、理由もなく突然起きるものではありません。10代なら学校や家庭、20〜30代なら仕事や恋愛、40〜50代なら責任や金銭問題、60代以上なら認知症や孤独感など、年代によって背景は変わります。

大切なのは、「なぜいなくなったのか」を決めつけず、直前の変化を一つずつ見ることです。最後の会話、持ち出した物、スマートフォンやSNSの動き、部屋に残された書類、交友関係、お金の流れには、本人が何から離れようとしていたのかを知る手がかりが残っていることがあります。

未成年者、高齢者、持病がある人、自殺や事件・事故の可能性がある人は、すぐに警察へ相談してください。背景が複雑で家族だけでは手がかりを追えない場合は、失踪理由を整理したうえで専門家へ相談することも必要になります。

この記事の監修者

この記事の監修者

株式会社Nitto(日東探偵社)本部
記事の監修担当者:獅子田純華
人探し・行方調査・所在調査など、相談内容に応じた調査提案を行う日東探偵社の担当者。
家出・失踪・行方不明に関する相談内容をもとに、記事内容の確認を行っています。

 

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