
マッチングアプリは、気軽に出会いのきっかけをつくれる一方で、悪質なユーザーによる詐欺やトラブルに巻き込まれるリスクもあります。実際、プロフィール詐称や金銭目的の接触などが問題になるケースも少なくありません。この記事では、よくある手口や注意点を紹介し、万が一被害に遭った場合の対応方法についてもわかりやすく解説します。
この記事はこのような方に向いています!
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- マッチングアプリ詐欺の被害に遭われた人
- 詐欺の手口と具体的な対処法を知りたい人
- 探偵に詐欺被害の調査や相手の身元特定を依頼する費用が不安な人
目次
マッチングアプリで報告されている詐欺手口とその種類
マッチングアプリを利用した詐欺の手口は非常に多様化しており、巧妙に利用者の心理を突いてきます。ここでは、実際に多く報告されている詐欺の手口を具体的に解説します。これらの手口を知り、事前に警戒心を高めることが、被害を防ぐための重要な第一歩です。
美人局(つつもたせ)
マッチングアプリや出会いの場で親密な関係になった直後、突然第三者が登場し、「不倫」「暴力行為」などを口実に金銭を要求する。こうした美人局(つつもたせ)に似た詐欺被害が増えています。
被害者は「トラブルを知られたくない」「責任を感じてしまう」といった心理を突かれ、冷静な判断ができないまま要求に応じてしまうケースが少なくありません。
初対面で誘われたからといって安易に会うのではなく、やり取りの中で違和感がないか、相手の言動や状況に注意を払うことが、自分を守るための大切な対策になります。
デート商法
甘い言葉で親密さを築いたうえで、高額の化粧品や健康食品、投資商品などを購入させる手法です。何度かデートを重ねると、本当に信頼できる関係になったように感じられますが、実はすべて商品契約のための前フリの場合があります。商品やサービスの勧誘が始まったら、一度冷静に情報を比較検討しましょう。
投資詐欺
「絶対に儲かる」「損する人はいない」といった言葉で勧誘してくる投資話には注意が必要です。これは典型的な投資詐欺の手口であり、相手は親密な関係を装いながら、徐々に大きな資金の投入を求めてくる傾向があります。信頼関係が築かれたように感じても、冷静な判断力を失わないよう心がけましょう。不安を感じた場合は、ひとりで決断せず、信頼できる第三者に相談し、断る勇気を持つことが重要です。
業者の勧誘
マッチングアプリやSNSを通じて、恋愛感情や友情を装いながら、特定のセミナー参加や高額な商品・サービスへの勧誘を目的とする業者が存在します。彼らはまずフレンドリーに接近し、あたかも誠実な出会いであるかのように時間をかけて関係を築こうとします。
しかし、その裏では組織的な活動として、多くのアプリ利用者から契約を取り付けようと画策しているケースが少なくありません。会話の中で不自然に仕事や投資の話に誘導されたり、高額な講座や商品を紹介されたりした場合は、その目的が恋愛ではない可能性が高いです。
このような勧誘が始まったら、すぐに冷静に対応し、少しでも不信感を覚えたら速やかに距離を置くことが大切です。安易な情報提供や金銭のやり取りは避け、不安を感じた場合は信頼できる第三者や専門機関に相談することも、被害を防ぐ効果的な対策となります。
結婚詐欺
マッチングアプリや出会いの場で「結婚を前提とした真剣な交際」を装い、相手の信頼を巧みに築き上げた上で金銭を騙し取るのが結婚詐欺の典型的な手口です。
詐欺師は、将来を約束する甘い言葉や具体的な結婚計画(例:プロポーズ、両親への挨拶、新居探しなど)で被害者を安心させます。その後、「結婚式の仮予約金が急に必要になった」「婚約指輪の代金が足りない」「新生活のための資金が急遽必要になった」といった、結婚にまつわる様々な名目を持ち出して金銭を要求してきます。
この詐欺の悪質な点は、一度お金を支払ってしまうと、「ここまで投資したのだから、もう後には引けない」「この関係を壊したくない」という被害者の心理を巧妙に利用し、次々と新たな名目で金銭を要求し続ける点にあります。結婚という人生の一大イベントは、強い感情が伴うため、不審な点があっても「まさか騙されているはずがない」と冷静な判断力を失いやすい傾向があります。
もし、交際相手から結婚を匂わせる話と同時に金銭を要求された場合は、その金額の大小に関わらず、一度立ち止まって冷静に考えてください。信頼できる友人や家族、または専門機関に相談し、客観的な意見を聞くことが、被害を防ぐための最も重要な一歩となります。
国際ロマンス詐欺
国際ロマンス詐欺は、マッチングアプリやSNSを通じて、海外在住の軍人、医師、大企業の役員、慈善活動家などを名乗り、甘い言葉とロマンチックな演出で被害者の恋愛感情を巧みに操る手口です。彼らは時間をかけて親密な関係を築き、「運命の相手」だと信じ込ませてから、金銭を要求してきます。
要求の口実は、「会いたいが渡航費が足りない」「家族が病気で緊急手術が必要」「海外プロジェクトへの投資で大金を稼げるが手数料が必要」など、多岐にわたります。一度送金してしまうと、「関税」「税金」「送金手数料」「トラブル解決費用」といった新たな名目を次々と持ち出し、被害額が数百万円、数千万円、時には億単位にまで膨れ上がるケースも少なくありません。
この詐欺の最も悪質な点は、国際的なやり取りのため相手の身元や実態を確認するのが極めて困難であることに加え、被害者が「真実の愛」と信じ込んでしまった感情を巧妙に利用されるため、たとえ不審を感じても「まさか騙されているはずがない」と関係を断ち切れない心理状態に陥りやすいことです。多くの被害者が、金銭的な損失だけでなく、深い精神的ダメージを受けています。
もし、海外の相手から過度な愛情表現や結婚の約束と同時に金銭を要求された場合は、その金額の大小に関わらず、一人で抱え込まず、必ず立ち止まって冷静に考えてください。そして、速やかに信頼できる第三者や専門機関(警察、国民生活センター、そして身元特定の実績を持つ探偵事務所)に相談することが、被害を防ぎ、回復への道を探るための最も重要な行動です。
ネットワークビジネス目的の接近にご注意を
マッチングアプリやSNSを通じて、恋愛感情や友情を装いながら接近し、実際にはマルチレベルマーケティング(MLM)やネットワークビジネスへの勧誘が目的だったというケースが多数報告されています。
詐欺師は、最初は非常にフレンドリーに接し、あなたの趣味や価値観に共感する姿勢を見せることで、あたかも「運命の出会い」であるかのように信頼関係を時間をかけて築こうとします。しかし、やがて会話の中で、「将来の夢」「収入アップのチャンス」「一緒に成長できるビジネスがある」などと、不自然に仕事や投資の話題に誘導しようとするサインが現れます。
こうした勧誘の手口は巧妙で、「商品を売るのではなく、仲間を増やすことで収入が上がる」といった甘い言葉や、成功者の体験談を強調することで、あたかも自分も成功できるかのような錯覚に陥らせます。恋愛目的で始まったはずの出会いが、いつの間にか高額なセミナー参加や商品購入、さらには組織への加入話ばかりになった場合は、明確な危険信号です。
もし、少しでもこのような不審な点を感じた場合は、相手の言葉を鵜呑みにせず、すぐに冷静な対応を取りましょう。安易な金銭の支払いや個人情報の提供は避け、その場ですぐに契約を断ってください。そして、必ず一人で抱え込まず、家族や友人、または信頼できる第三者や専門機関に相談することが、被害を未然に防ぐ、あるいは拡大を食い止めるための最も重要な行動となります。
恋愛感情を悪用した詐欺被害
マッチングアプリやSNSで恋愛感情や友情を装い、信頼関係を築き上げた上で金銭を要求する「恋愛詐欺」が増加しています。
詐欺師は「誕生日プレゼント」「親の入院費」「新生活資金」など、もっともらしい理由を掲げて少額から金銭を求め、被害者が「これまでの関係を壊したくない」「投資した分を取り戻したい」という心理に陥ると、要求をエスカレートさせます。加害者は複数の相手と同時進行しており、SNSやメッセージのやり取りに一貫性がない場合は特に警戒が必要です。
恋愛感情が絡むと冷静な判断が難しくなりますが、金銭が関わる話が出た時点で、その金額の大小に関わらず、必ず立ち止まり、客観的な視点を取り入れることが重要です。少しでも不審な点を感じたら、一人で抱え込まず、すぐに信頼できる第三者や専門機関(警察、国民生活センター、そして貴社のような探偵事務所)に相談することが、被害を未然に防ぎ、拡大を食い止めるための「最強」の対策となります。
マッチングアプリ詐欺の被害を防ぐための具体的な注意点
マッチングアプリには多様な詐欺の手口があるため、最初からリスク管理を意識することが大切です。安全に利用するには、渡す個人情報を常に確認し、連絡先交換は慎重に。情報が漏れるとリスクが高まります。プロフィールやメッセージに不安を感じたら、やり取りを見直してください。悪質ユーザーは小額の要求から始め、徐々に高額被害に繋げることがあります。そんな兆候があれば早めにブロックをしましょう。やり取りのスクショは証拠として保存が重要です。外部サイトや不審なリンクは避け、怪しいと感じたら専門家への相談をおすすめします。
個人情報の開示は慎重に
マッチングアプリでやり取りを始めたばかりの段階で、自宅の住所や電話番号、勤務先、さらには家族構成などの個人情報を相手に伝えるのは大変危険です。
たとえ相手が誠実に見えても、悪質な勧誘、ストーカー被害、さらには詐欺へと繋がるリスクがあります。特に、LINEや他のSNSなど、アプリ外での連絡先交換には細心の注意を払いましょう。
一定の信頼関係が築けるまでは、アプリ内のメッセージ機能など安全性が確保された手段でやり取りを続けるようにし、情報の共有は段階的に、そして常に慎重に行うことが大切です。万が一のトラブルに備え、安易な個人情報の開示は絶対に避けましょう。
不自然なプロフィールには注意を
マッチングアプリ上で、あまりに魅力的すぎる写真や経歴に違和感がある場合は注意が必要です。たとえば「職業が頻繁に変わっている」「複数のSNSアカウントに一貫性がない」「実在しない企業や住所が記載されている」など、信ぴょう性に欠ける情報は詐欺の兆候である可能性があります。
少しでも疑問を感じたら、名前や企業名を検索してみるなど、冷静な判断で自己防衛を心がけましょう。プロフィールは相手を知る最初のきっかけですが、その内容を鵜呑みにせず、常に「不自然な点はないか」という視点を持つことが、被害を未然に防ぐ重要なポイントです。
第三者との面会を提案された場合は要注意
マッチングアプリやSNSで知り合った相手から「友人を交えて会いたい」と提案されると、安心感を覚えるかもしれませんが、実は詐欺グループによる組織的な誘導の可能性も潜んでいます。
会話が投資、副業、商品の購入に発展する場合は特に警戒が必要です。相手の知人とされる人物も含めて、信頼できる情報源かどうか慎重に判断しましょう。安易な気持ちで第三者と面会すると、詐欺の被害に巻き込まれるリスクが飛躍的に高まります。
少しでも不信感を覚えた場合は、その場で面会を断り、運営元への通報や信頼できる第三者への相談を検討するなど、冷静な対応を心がけてください。
少額の金銭要求でも即対応を
マッチングアプリやSNSで知り合った相手から、「少しだけ貸してほしい」「急な出費でお金が足りない」といった少額の金銭要求をされるケースがあります。最初は軽い依頼でも、次第に金額が大きくなる傾向があるため、注意が必要です。
たとえ少額であっても、一度金銭のやり取りが始まると心理的なハードルが下がり、その後の要求を断りづらくなる危険があります。相手がどのような事情を説明しても、金銭支援を求められた場合は、その場で明確に断ることで、被害の拡大を未然に防ぐことができます。
金銭が関わる話が出た時点で、相手の言葉を鵜呑みにせず、必ず立ち止まって冷静な判断を心がけましょう。不安を感じたら、一人で抱え込まず、信頼できる第三者や専門機関に相談することが大切です。
証拠となる記録を残す(魚拓を取る)LINEの複写を残す
マッチングアプリでのやり取りは、万が一のトラブル時に備えて記録を残すことが大切です。LINEやアプリ内メッセージのスクリーンショットは、発言の食い違いや詐欺被害の立証に役立ちます。特に金銭の要求や約束内容に関するやり取りは、日時や画面ごとに保存しておきましょう。
マッチングアプリ詐欺に遭ってしまった際の具体的な対処法を解説
もしマッチングアプリ詐欺に遭ってしまったと感じたら、できるだけ早く、そして冷静に行動を起こすことが被害軽減への第一歩です。
ここでは、騙されたとわかった時点で実践すべき具体的な対処法を、ステップごとにわかりやすく解説します。早めの対応が、被害の拡大を防ぎ、解決へと大きく状況を動かすきっかけとなるでしょう。
対処法1:マッチングアプリの運営窓口に相談
不審な行為や被害の現状をアプリ運営会社に報告することで、被疑アカウントの利用停止や調査対応を求めることができます。早めに通報すれば、他のユーザーの被害抑止にもつながります。運営側に具体的な証拠を提出すると、迅速に対策してもらえる可能性が高まります。
対処法2:国民生活センターに連絡する
消費者被害全般を扱っている国民生活センターでは、詐欺や悪徳商法の被害相談にも対応しています。被害内容や相手とのやり取りを詳しく説明することで、解決へのアドバイスや関係機関の紹介を受けることが可能です。特に詐欺商法の契約解除や返金方法について、公的な支援を受けられる場合もあります。
対処法3:弁護士への相談
詐欺被害で大きな金額を失った場合、法的手段を用いて損害賠償を請求できる可能性があります。弁護士は被害状況を専門的に分析し、相手への請求の流れや手続きのサポートを行ってくれます。費用面が気になる場合でも、無料相談や法テラスなどを活用することで相談しやすくなるでしょう。
対処法4:最寄りの警察署(生活安全課)などに相談する
詐欺の疑いが強い場合や、多額の被害が発生している場合は警察への被害届の提出も重要です。捜査が進めば加害者の特定や逮捕につながる可能性があり、他の被害者を増やさない効果も期待できます。まずは最寄りの警察署に相談し、必要書類や立件の可否について確認してみましょう。
対処法5:探偵事務所や興信所に相談する
マッチングアプリ詐欺の被害に遭った際、警察や弁護士への相談はもちろん重要ですが、相手の身元が不明な場合や、決定的な証拠が不足している状況では、探偵事務所や興信所への相談が非常に有効な手段となります。
- 不明な相手の身元特定: マッチングアプリ上の情報(偽名、写真、LINE IDなど)だけでは自力で特定が難しい相手の、本名や現住所、連絡先などを合法的な調査で割り出します。
- 決定的な証拠収集: 詐欺の状況を示すメッセージ履歴や送金記録などのデジタル証拠を補完し、法的措置を進める上で必要となる、より確実な証拠を収集します。
- 詐欺グループの関与調査: 単独犯ではなく、背後に組織的な詐欺グループが存在する可能性も視野に入れ、その実態解明に向けた調査を行うことも可能です。
探偵による調査結果は、警察への被害届の受理や、弁護士による損害賠償請求の手続きをスムーズに進めるための強力な裏付けとなります。トラブルの内容や予算に合わせて、探偵に依頼するメリットを最大限に活用し、被害回復への道筋を探りましょう。
マッチングアプリ詐欺被害:男女別の特徴と心理
マッチングアプリ詐欺の被害は、性別によって陥りやすい心理や手口の特徴が異なる場合があります。ここでは、男性・女性それぞれの被害に遭いやすいパターンとその背景を解説します。
女性が陥りやすい詐欺被害の特徴
男性が陥りやすい詐欺被害の特徴
男性が被害に遭う場合も増えており、金銭的なトラブルだけでなく、名誉やプライバシーを脅かされるケースも散見されます。
男性は女性に比べて警戒心が弱いとされることがあり、美人局やデート商法で高額な費用を請求される被害が増えています。詐欺の加害者は警戒されないように外見やプロフィールを盛って接近してくるため、知らない間に騙されていることも多いのです。
実際にトラブルが生じた場合は、早期に弁護士や探偵の専門家に相談することでスムーズな解決を目指せます。一人で情報収集するよりも、詐欺トラブルを数多く扱ってきた専門家に任せるほうが、被害回復への近道となります。高額な費用がかかるイメージがあっても、無料相談などを用意している事務所もあるため、必要に応じて積極的に利用してください。
まとめ
マッチングアプリは便利な出会いの場である一方、詐欺やトラブルに巻き込まれるリスクがあるという事実も軽視できません。
「出会いの幅を広げたい」という気持ちに付け込む利用者が存在する以上、安心しきって使うのではなく、常に慎重さを持つことが大切です。プロフィールやメッセージ内容を鵜呑みにせず、怪しいと思ったら早めに対処を行いましょう。もし被害に遭ってしまった場合、各種公的機関や専門家を頼ることで、解決への道を切り開くことができます。
詐欺行為は決して被害者が悪いわけではなく、巧妙な手口を用いた加害者に大きな責任があります。周囲に言い出しにくいと感じるかもしれませんが、被害拡大を防ぎ、取り戻せる可能性を高めるためにも行動が不可欠です。最終的には、自分の身を守るために正しい知識と警戒心を常に持ちながら、安全にマッチングアプリを活用していくことを心がけましょう。
この記事の監修者
株式会社Nitto(日東探偵社)本部
記事の監修担当者:獅子田純華
年間1000件の人捜し成功実績を誇る人捜し調査のスペシャリスト
人探し・行方調査・所在調査などを専門として行う捜索のプロ!探偵興信所・日東探偵社の代表。
心の整理や復縁についての相談実績多数!
