出資勧誘後ドロン「詐欺」の指摘 |
婚活サイトで知り会った女性に社債の購入や出資を持ちかけられ、トラブルになるケースが相次いでいる。約束された配当は得られず、交際に前向きだった女性との連絡は途絶えてしまう。結婚を望む人たちの出会いの場を利用した詐欺まがいのビジネス、との指摘もある。 |
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被害者・関東地方に住む会社員(38歳)
今月3日、6人の男性とともに計約1億円の損害賠償請求訴訟を起こした。相手は、婚活サイトでそれぞれ知り会った2人の女性の勧めで購入した社債発行会社など、詐欺容疑で警視庁への告訴を考えているという。
男性は、2013年3月、無料婚活サイトを通じて20代の女性と出会った。
加害者詐欺女の特徴と手口
東京・新宿の喫茶店で待ち合わせた女性は、花柄の華やかなワンピース姿で指にはサファイアの指輪。会社の秘書役で両親は投資家、と自己紹介した「いい旦那さんになりそう」などとメールをもらい、交際が始まった。3回目のデートで「将来の2人の為に」と女性が役員を務める人材派遣会社の社債購入を持ち掛けられた。男性は交際を続ける為に申し込みに署名し計1000万円を支払った。年12~24%と説明された利息や配当は暫く支払われたが、間もなく停止。
被害男性から送ったLINE
疑う気持ちもあったが、女性に「どんなことがあってもパートナーとして行動します」とLINEのメッセージを送った。
詐欺女からの返信のLINE
しかし、女性から突然別れを告げる返信が届き、連絡が取れなくなった。「適当な言葉で慰めて、優しい自分に自惚れているだけでしょう。あなたは偽物よ。さよなら」
同様の詐欺(組織的な犯罪の可能性)探偵興信所の見解
同様の被害を訴える記述をネットの掲示板で発見。別の1人を含む女性2人が少なくとも32人の男性に社債を購入させていたことが分かった。男性らの訴訟代理人の佐藤弁護士は「同じ女性が複数の婚活サイトに登録し、同時期に複数の男性に社債を売っていた。組織的な詐欺の可能性がある」
市場調査会社(シード・プライニング東京)
婚活サイトの市場規模は12年の30億円から17年には58億円に膨らむという。利用者を狙って出資や不動産の購入を持ちかける「デート商法」は後を絶たないという。社会心理学者は、ネットの出会いは紹介者がおらず、相手の素性が保証されない。リスクを認識しなくてはいけないと話した。