生け花など観賞用にも人気のトウゴマ。種に微量の猛毒リシンが含まれている。手軽に入手できる猛毒である。昨今の毒物混入事件にも使われている。
栃木県宇都宮での毒物混入事件
宇都宮市で夫が飲む焼酎パックに毒を混ぜて殺害しようとしたとして、33歳の女が逮捕、起訴された。使われたのは米国でテロ計画に用いられたこともある猛毒リシン。女はどうやって猛毒を入手したのか。
殺鼠剤の購入で通報で発覚
事件が起きたのは昨年10月末。女は別居中の自衛官の夫の自宅で、台所にあった焼酎パックに猛毒リシン入りの水溶液を混入させたとして年末、殺人未遂の罪で起訴された。
動悸は「夫に消えてほしかった」
発覚のきっかけは事件の約1か月前、女が医薬品販売会社から偽名で殺鼠剤を購入しようとしたことだった。不審に思った会社から通報を受けた栃木県警が夫の話を聞くと、夏にも自宅で焼酎を飲んだ際に体調を崩していたという。
栃木県警が焼酎を分析
毒性のある常緑樹の「キョウチクトウ」の毒素が検出された。
焼酎は白濁し、致死量をはるかに超えるリシンが検出されたという。夫は焼酎を飲まず無事だった。危機一髪であった。
関係者によると、女も自衛官。職場で出会った夫と約10年前に結婚し。子どもにも恵まれた。ところが、借金や子育てをめぐって夫と頻繁に喧嘩を繰り返し、昨年3月に別居を始めてから、夫に殺意を抱いたとみられる。
原料になる種、美容品にも
リシンを市販されている観賞用植物のトウゴマ(ヒマ)抽出したという。種からはひまし油が取れ、エンジンの潤滑油やポマードなど工場や美容品の原料に使われる。この際の副産物から微量のリシンが取れ、体内に入ると、細胞が壊死して臓器不全などに陥る。
どこでトウゴマの種を入手したのか?
ネットの通販サイトでトウゴマの種を数千円で購入。リシンの抽出方法もネットで調べて、水溶液を独力で作りだしていた。
厚生労働省によると、現在トウゴマは国内で規制対象にはなっていない。
探偵からの一言
昨今、全国から当社に毒物混入に関する相談が増加しています。食べ物を食べてから具合がなる。飲み物を飲むと体に異変が起こる。身の回りに毒をもつ植物や簡単に手に入る毒物は多数あります。何らかのトラブルに巻き込まれていたり、私利私欲の為に狙われたりといったケースもあります。トラブルが原因。身に覚えのあるトラブルが引き金に卑劣極まりない悪質な行動を人は犯すのです。体に異変を感じたらご早急に相談し毒物混入検査を推奨します。