ストーカー規制法とは?|GPS規制と探偵が対応できること

ストーカー規制法と被害時の対処法を解説するイメージ画像

ストーカー被害は、つきまとい、待ち伏せ、監視、面会要求、連続した電話やメッセージだけでなく、GPS機器や紛失防止タグを悪用した位置情報の取得など、年々手口が多様化しています。

ストーカー規制法は、正式には「ストーカー行為等の規制等に関する法律」といい、ストーカー行為を規制・処罰し、被害者を守るための法律です。恋愛感情や好意の感情、またはそれが満たされなかったことへの恨みなどを背景に、同じ相手へつきまとい等を繰り返す行為が問題になります。

この記事では、2026年時点の内容に基づき、ストーカー規制法で規制される行為、2025年改正で追加された内容、罰則、警察への相談、探偵に相談できる範囲について解説します。

目次

ストーカー規制法とは

ストーカー規制法は、ストーカー行為を処罰するだけでなく、被害者への援助や警察による警告・禁止命令などを定めた法律です。

ストーカー行為は、単なる好意や一度だけの連絡ではなく、相手に不安を与えるような「つきまとい等」や「位置情報無承諾取得等」を繰り返すことで問題になります。

被害が続く場合、警察は行為者に対して警告を行ったり、必要に応じて禁止命令等を出したりすることができます。危険が迫っている場合は、ためらわず110番通報することが重要です。

ストーカー規制法で規制される主な行為

ストーカー規制法では、以下のような行為が規制対象になります。被害者本人だけでなく、家族、交際相手、勤務先、学校など身近な人に対して行われる場合も問題になることがあります。

つきまとい・待ち伏せ・押しかけ・うろつき

自宅、職場、学校、通勤・通学途中、よく利用する店舗などで待ち伏せされたり、後をつけられたり、近くをうろつかれたりする行為です。

  • 帰宅途中に後をつけられる
  • 自宅や職場の近くで見張られる
  • 通勤・通学路で待ち伏せされる
  • 自宅や勤務先へ押しかけられる
  • 現在いる場所の周辺をうろつかれる

一度だけでは判断が難しい場合でも、繰り返されることで恐怖や不安が強くなる場合は、早めに記録を残し、警察や専門機関に相談する必要があります。

監視していると告げる行為

相手に対して「見ている」「行動を知っている」と思わせるような言動も規制対象になります。

  • 帰宅直後に「今帰ったね」と連絡してくる
  • その日の服装や行動を細かく伝えてくる
  • SNSや掲示板に、本人しか知らないような内容を書き込まれる
  • 外出先や勤務先での行動を把握しているように告げられる

監視されていると感じる状況は、精神的な負担が大きくなりやすい。日時、内容、連絡手段、スクリーンショットなどを保存しておくことが大切です。

面会・交際・復縁などの要求

拒否しているにもかかわらず、面会、交際、復縁、話し合い、謝罪の場などをしつこく求める行為も問題になります。

  • 別れた後も何度も復縁を迫られる
  • 「一度だけ会ってほしい」と繰り返される
  • 職場や自宅に来て話し合いを求められる
  • 断っているのに贈り物や手紙を送り続けられる

曖昧な対応を続けると、相手が都合よく解釈する場合があります。拒否する場合は、必要以上に感情的なやり取りをせず、証拠を残したうえで警察や専門家に相談することが重要です。

乱暴な言動

大声で怒鳴る、脅すような言葉を使う、家の前で騒ぐ、電話で罵倒するなどの行為も規制対象になります。

  • 自宅前で大声を出される
  • 電話で怒鳴られる
  • 脅すような言葉を言われる
  • 職場や学校の周辺で威圧的な行動を取られる

乱暴な言動がある場合、エスカレートする危険があります。身の危険を感じる場合は、記録よりも安全確保を優先し、すぐに110番通報する必要があります。

無言電話・連続した電話・メール・SNSメッセージ

拒否しているにもかかわらず、電話、FAX、メール、SNSメッセージ、文書などを連続して送る行為も規制対象です。

  • 無言電話が繰り返される
  • 着信拒否後も別番号から連絡される
  • LINEやSNSで大量のメッセージが届く
  • 拒否後も手紙や文書が何度も送られてくる

このような被害では、着信履歴、メッセージ履歴、送付物、封筒、消印などを保存しておくことが重要です。削除せず、証拠として残してください。

汚物・動物の死体など不快な物の送付

汚物、動物の死体、不快感や嫌悪感を与える物を送ったり、玄関前や車両に置いたりする行為も規制対象になります。

  • 玄関前に不快な物を置かれる
  • 勤務先や自宅に嫌がらせの物を送られる
  • 車や郵便受けに異物を入れられる

不審物が届いた場合は、むやみに触らず、写真を撮り、封筒や梱包材も保管してください。危険物の可能性がある場合は、警察へ連絡することが優先です。

名誉を傷つける行為

相手の名誉を傷つける内容を告げたり、周囲に広めたり、インターネット上に投稿したりする行為も問題になります。

  • SNSに中傷を書かれる
  • 職場や近所に悪い噂を流される
  • 名誉を傷つけるビラや文書を配られる
  • 匿名掲示板に個人情報や中傷を書き込まれる

ネット上の投稿は削除される前に、URL、投稿日時、アカウント名、投稿内容が分かる形で保存しておくことが大切です。

性的羞恥心を害する行為

性的に恥ずかしい思いをさせる内容を告げる、画像や文書を送る、わいせつな内容を投稿するなどの行為も規制対象です。

  • わいせつな画像や文書を送りつけられる
  • 性的な内容のメッセージが繰り返し届く
  • 性的な内容をSNSや掲示板に投稿される
  • 過去の私的な写真を使って脅される

性的な被害は一人で抱え込みやすいが、放置すると拡散や脅迫に発展することがあります。スクリーンショットや送信履歴を保存し、警察や専門機関に相談することが必要です。

2026年最新版|位置情報の無承諾取得も規制対象

近年は、GPS機器や紛失防止タグを悪用し、相手の位置情報を無断で取得する事案が問題になっています。

ストーカー規制法では、相手の承諾なく位置情報を取得する行為や、位置情報を取得するための機器を取り付ける行為なども規制対象です。

GPS機器による位置情報の取得

相手の車、バッグ、自転車、持ち物などにGPS機器を取り付け、位置情報を取得する行為は規制対象になります。

「直接つきまとっていないから問題ない」という考えは危険です。位置情報を無断で取得する行為も、ストーカー規制法上の問題になる可能性があります。

紛失防止タグの悪用も規制対象

GPS機器などを使った位置情報の無承諾取得は、2021年のストーカー規制法改正で規制対象に追加されました。さらに2025年の改正では、紛失防止タグを悪用した位置情報取得や取り付けも規制対象に加えられています。

  • バッグに紛失防止タグを忍ばせる
  • 自転車や車両に紛失防止タグを取り付ける
  • 相手の承諾なく位置情報を確認する
  • イヤホンなど位置情報を特定できる機器を悪用する

紛失防止タグは本来、物をなくさないための機器ですが、相手の行動を監視する目的で使えば、重大な問題になります。

2025年改正で強化された内容

2025年12月30日施行の改正により、ストーカー規制法は位置情報の悪用に対する規制をさらに強化しました。

紛失防止タグを使った位置情報取得が追加

従来のGPS機器に加え、紛失防止タグや、同様に位置情報を特定できる機器を悪用した行為も規制対象になりました。

警察による職権警告が可能に

改正により、被害者の申出がない場合でも、警察が必要と判断した場合に警告を行える仕組みが設けられました。被害者が申出をためらう状況でも、危険性に応じた対応につながる可能性があります。

勤務先や学校との連携が強化

被害者への援助の主体として、地域住民に加え、勤務先や学校も位置づけられました。勤務場所や時間の配慮、学校ホームページ上の個人情報掲載への配慮など、被害者の安全確保に向けた協力が期待されます。

ストーカー規制法の罰則

ストーカー行為をした者には、刑罰が科される可能性があります。2026年時点では、主な罰則は以下のとおりです。

行為 罰則
ストーカー行為をした場合 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
禁止命令等に違反してストーカー行為をした場合 2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金
禁止命令等に違反した場合 6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金

なお、以前は「懲役」や「禁錮」と表記されていた刑罰は、刑法改正により「拘禁刑」という表記に変わっています。そのため、古い情報を参考にする場合は、現在の罰則表記と異なることがあります。

ストーカー被害にあったときの対処法

ストーカー被害は、時間が経つほどエスカレートすることがあります。相手を刺激しないようにしながら、証拠を残し、安全を確保することが重要です。

危険を感じたら110番する

相手が自宅前にいる、後をつけられている、脅されている、暴力の危険がある場合は、証拠集めよりも安全確保が先です。すぐに110番通報してください。

警察相談専用電話「#9110」や最寄りの警察署へ相談する

緊急性は高くないものの不安が続く場合は、警察相談専用電話「#9110」や最寄りの警察署へ相談する方法があります。

相談時には、被害の内容、日時、場所、相手との関係、証拠の有無を整理して伝えると、状況を説明しやすくなります。

証拠を消さずに保存する

ストーカー被害では、証拠の保存が重要です。感情的になってメッセージを削除したり、着信履歴を消したりすると、後から説明しにくくなる場合があります。

  • 着信履歴
  • LINEやSNSのメッセージ
  • メール
  • 手紙や封筒
  • 写真や動画
  • 防犯カメラ映像
  • 被害日時のメモ

証拠は、日時と内容が分かる形で保存することが重要です。

一人で会わない・直接交渉しない

話せば分かる」と考えて一人で会うことは危険です。相手が感情的になっている場合、話し合いが被害の悪化につながることがあります。

面会を求められても、単独で応じず、警察や弁護士、信頼できる第三者に相談してください。

住所や勤務先などの個人情報を守る

ストーカー被害では、住所、勤務先、学校、生活圏、SNS投稿などから行動パターンを知られることがあります。

  • SNSに現在地を投稿しない
  • 生活圏が分かる写真を載せない
  • 勤務先や学校の情報を公開しない
  • 郵便物や宅配伝票の管理に注意する
  • 共通の知人から情報が漏れないよう注意する

特に、転居後や勤務先変更後は、情報の管理を慎重に行う必要があります。

探偵に相談できるストーカー被害対策

ストーカー被害では、警察への相談が最優先です。そのうえで、証拠が不足している、被害状況を整理できない、防犯対策を強化したい場合に、探偵へ相談できることがあります。

被害状況の記録と証拠整理

つきまとい、待ち伏せ、押しかけ、嫌がらせ行為などがある場合、発生日時、場所、状況を整理し、証拠として残す支援が必要になることがあります。

探偵は、法令を守った範囲で、被害状況の確認や記録の補助を行います。

自宅・勤務先周辺の不審者確認

自宅や勤務先の周辺で不審な人物や車両を見かける場合、事実確認が必要になることがあります。

ただし、危険が切迫している場合は探偵ではなく警察への通報が先です。探偵の調査は、警察相談や防犯対策に必要な情報整理として位置づけるべきです。

盗聴器・GPS・紛失防止タグの確認

車両や持ち物にGPS機器や紛失防止タグが取り付けられている疑いがある場合、確認が必要になることがあります。

発見した場合は、勝手に処分せず、写真を撮り、状況を記録し、警察へ相談することが重要です。

警察や弁護士へ相談するための資料整理

被害内容が複雑な場合、警察や弁護士に状況を説明するための資料整理が必要になることがあります。いつ、どこで、誰から、どのような被害を受けたのかを時系列でまとめることで、相談が進みやすくなります。

探偵ができないこと

ストーカー被害対策では、探偵ができることとできないことを明確にしておく必要があります。

  • 加害者への警告や接触の代行はできない
  • 相手を脅す・追い詰める行為はできない
  • 違法な盗聴・盗撮・不正アクセスはできない
  • 警察の代わりに逮捕や強制排除はできない
  • 危険が迫っている場面で警察の代替にはならない

探偵の役割は、法令を守った範囲での事実確認、証拠整理、防犯対策の補助です。危険がある場合は、警察への相談を優先してください。

ストーカー被害を相談するときに整理しておく情報

相談前に情報を整理しておくと、警察や専門家に状況を伝えやすくなります。

  • 相手の氏名・住所・勤務先・連絡先
  • 相手との関係性
  • 被害が始まった時期
  • 被害の内容と頻度
  • 被害が起きた場所
  • 保存している証拠
  • 警察への相談履歴
  • 相手に拒否の意思を伝えたかどうか

情報がすべて揃っていなくても相談は可能です。不安がある場合は、早めに相談することが重要です。

ストーカー規制法に関するよくある質問

一度だけの連絡でもストーカーになりますか?

一度だけの連絡ですぐにストーカー行為と判断されるとは限りません。ただし、拒否しているにもかかわらず繰り返し連絡されたり、つきまといや待ち伏せが続いたりする場合は、ストーカー規制法上の問題になる可能性があります。

SNSのメッセージも対象になりますか?

対象になる場合があります。拒否しているにもかかわらず、SNSメッセージ、メール、電話、文書などを連続して送る行為は、規制対象になる可能性があります。

GPSや紛失防止タグを使った監視もストーカーになりますか?

相手の承諾なくGPS機器や紛失防止タグを使って位置情報を取得する行為、または取り付ける行為は、規制対象になる可能性があります。2025年12月30日施行の改正により、紛失防止タグの悪用も規制対象に追加されています。

警察に相談する前に探偵へ相談してもよいですか?

相談は可能です。ただし、危険が迫っている場合や加害者が近くにいる場合は、探偵ではなく警察への通報が最優先です。探偵への相談は、証拠整理や防犯対策の補助として考えるべきです。

証拠が少なくても相談できますか?

相談は可能です。証拠が少ない場合でも、被害の日時、場所、相手の言動、連絡履歴などを整理することで、今後どのような証拠を残すべきか判断しやすくなります。

ストーカー被害は早めの相談が重要

ストーカー被害は、最初は軽い連絡や待ち伏せに見えても、時間が経つにつれて悪化することがあります。特に、相手が拒否を受け入れない、行動を監視している、勤務先や自宅周辺に現れる、GPSや紛失防止タグの悪用が疑われる場合は注意が必要です。

危険を感じた場合は、すぐに110番通報してください。緊急性が低い場合でも、警察相談専用電話「#9110」や最寄りの警察署へ相談することが重要です。

日東探偵社では、ストーカー被害に関する証拠整理、不審者確認、防犯対策の相談を、法令を守った範囲で受けています。警察や弁護士へ相談するための資料整理が必要な場合も、現在の状況を確認したうえで対応可否を判断します。

一人で抱え込まず、被害が深刻化する前に相談してください。

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