大阪高裁「重大な違法」否定
警察が捜査対象者の車にGPS(全地球測位システム)端末をひそかに装着して追跡する捜査の是非をめぐり、大阪高裁は2日、一審が「重大な違法」とした連続窃盗事件の控訴審判決で「重大な違法とまではいえない」と判断した。
プライバシー侵害の程度よりも、捜査にとっての必要性を重視する内容となった。
高裁判決は・・・・
GPS端末で捜査対象者車輛の位置情報をつかむ手法について「実施方法によってはプライバシー侵害につながるきっかけを含む」と指摘。今回、大阪府警による装着が半年余りに及んだ点も踏まえ、「令状なく行うのは違法と解釈する余地がないわけではない」と述べた。しかし、対象者らの関与の疑いが相当あった夜間に高速で広域を移動し、犯行時間も短い、対象者らが摘発への警戒を強めていたといった点を重視し、今回の事件ではGPS捜査の必要性があったと認定。裁判所が令状を出す要件も満たしていたと考えられるとし、「重大な違法とはいえない」と結論づけた。
また事件への関与が結果的に認められなかった被告の交際女性の車に端末を装着したことについても、被告らの所在を把握する必要性などから容認した。
GPS捜査の是非
被告の共犯者については、被告の共犯者について昨年1月に大阪高裁が「重大な違法」を否定。
被告については6月、別の裁判長が違法性を認め、名古屋地裁や水戸地裁でも違法判断が続いていた。
探偵見解
こうした判例を踏まえ、今後警察の捜査に令状なしに、GPSが使用されることが懸念される。探偵興信所でもよく使用されるGPS調査にも寛大にしてほしいと切に願う。
