探偵という仕事に興味があっても、実際にどのような仕事をしているのか、資格が必要なのか、収入や将来性はどうなのか、分からないことは多いはずです。
探偵は、ドラマや映画のように事件を解決する仕事というイメージを持たれがちですが、実際には浮気調査、素行調査、人探し、所在確認、盗聴器発見、信用調査など、依頼者の悩みに応じて事実を確認する仕事です。
この記事では、探偵になりたい人に向けて、仕事内容、必要な資格や能力、探偵学校で学べること、収入の目安、向いている人の特徴について解説します。
この記事はこのような方に向いています
- 探偵になりたいと考えている方
- 探偵の仕事内容や働き方を知りたい方
- 探偵になるために資格が必要か知りたい方
- 探偵学校に通うべきか迷っている方
- 探偵の収入や将来性を知りたい方
目次
探偵になるためにはどうすればよいのか
探偵になる方法は、大きく分けると「探偵事務所や興信所に就職して実務経験を積む方法」と、「自分で探偵業の届出を行い、探偵事務所を開業する方法」があります。
探偵事務所に勤務する場合、法律上は特別な国家資格が必要なわけではありません。未経験から採用され、現場で調査の基礎を学ぶ人もいます。
一方で、自分で探偵事務所を開業する場合は、営業所ごとに都道府県公安委員会への探偵業の届出が必要です。届出をしないまま探偵業を営むことはできません。
探偵になること自体は、資格だけで見れば特別に難しいものではありません。しかし、実際に仕事として続けるには、調査技術、法律知識、体力、判断力、依頼者対応、営業力などが必要になります。
特に独立開業の場合は、調査力だけでなく、相談を受ける力、契約を取る力、集客する力も必要です。探偵学校を卒業しただけで安定して仕事が来るわけではありません。
長く探偵の仕事を続けたい場合は、まず実績のある探偵事務所や興信所で経験を積み、現場の流れを学ぶことが現実的です。
探偵学校で学ぶこと
探偵になるために、必ず探偵学校へ通わなければならないわけではありません。
ただし、未経験の人が探偵業の基礎を学ぶ方法として、探偵学校や探偵スクールを利用する選択肢はあります。
探偵学校では、尾行、張り込み、撮影、聞き込み、報告書作成、探偵業法など、実務に関係する知識や技術を学べる場合があります。
ただし、学校によって内容や実践度は大きく異なります。費用が高いわりに、実際の現場で使える内容が少ない場合もあるため、事前に講習内容や卒業後のサポートを確認することが大切です。
講習タイプ
講習タイプは、探偵に関する知識や法律、基本的な調査方法をセミナー形式で学ぶスタイルです。
1日講習や数時間の講義形式で行われることもあり、仕事をしながら探偵に興味を持っている人でも参加しやすいのが特徴です。
ただし、座学中心の場合、実際の尾行や張り込み、撮影技術までは十分に身につかないことがあります。現場で通用する技術を身につけるには、実地経験が必要です。
テキストタイプ
テキストタイプは、探偵学校や探偵事務所が用意した教材を使って学ぶ方法です。
探偵業の基礎知識、調査の流れ、法律上の注意点、報告書作成などを自分のペースで学べるメリットがあります。
一方で、文章を読むだけでは現場の判断力や距離感、撮影のタイミング、対象者に気付かれない動き方までは身につきにくいです。あくまで基礎知識を得る方法として考えた方がよいでしょう。
実地研修タイプ
実地研修タイプは、実際の現場に近い形で尾行、張り込み、撮影、報告書作成などを学ぶスタイルです。
探偵事務所が運営しているスクールでは、模擬調査を通じて、調査機材の使い方や現場での動き方を体験できる場合があります。
ただし、実地研修は時間も費用もかかる傾向があります。また、研修を受けたからといって、すぐに一人前の探偵になれるわけではありません。
探偵の技術は、実際の現場で経験を重ねながら身につけていく部分が大きいです。
探偵になるために必要な資格や届出
探偵として勤務するだけであれば、法律上、特別な国家資格は必要ありません。
ただし、自分で探偵業を営む場合は、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会に、探偵業開始の届出を行う必要があります。
また、探偵業法では、契約時の書面交付や重要事項説明、名義貸しの禁止、個人の権利利益を侵害しない調査などが求められます。
つまり、探偵になるために大切なのは「資格の有無」だけではありません。法律を守り、依頼者と対象者の双方に配慮しながら、適正な調査を行う姿勢が必要です。
探偵に必要な能力
探偵には、調査技術だけでなく、さまざまな能力が求められます。
探偵に求められる主な能力
- 集中力
- 観察力
- 判断力
- 忍耐力
- 臨機応変に対応する力
- 情報収集力
- 分析力
- 報告書作成力
- 依頼者への説明力
- 法令を守る意識
すべてを最初から完璧に備えている必要はありません。ただし、探偵の仕事は現場での判断が重要です。状況を冷静に見て、無理に追わない、違法な方法を使わない、危険な場面では中断するなどの判断力が必要になります。
張り込みや尾行のスキル
尾行は、ただ対象者を追いかければよいわけではありません。
対象者に気付かれず、周囲にも不自然に見えない距離感を保ちながら、行動を確認していく必要があります。
新人調査員の場合、見失うことを恐れて距離を詰めすぎてしまい、対象者に警戒されることがあります。しかし、尾行や張り込みで相手に気付かれた場合は、無理に続けるのではなく、中断や方法変更を判断しなければなりません。
張り込みは長時間に及ぶこともあります。集中力、体力、忍耐力に加えて、周囲に溶け込む自然な行動も必要です。
撮影技術
探偵の調査では、写真や動画で事実を記録する場面があります。
浮気調査や素行調査などでは、対象者の行動、同行者、訪問先、時間、場所などを、後から説明できる形で記録する必要があります。
撮影では、対象者の顔や服装、持ち物、移動先、店舗や建物の外観、看板など、報告書で状況を説明できる材料を残します。
ただ撮影するだけではなく、ブレない映像、時系列が分かる記録、第三者が見ても状況を理解できる構成が求められます。
撮影で意識すること
- 対象者の特徴が分かるように記録する
- 日時や場所が分かる資料を残す
- 移動や入退店の流れを説明できるようにする
- 報告書で使いやすい写真・動画を残す
- 無理な撮影や違法な撮影は行わない
探偵調査では、ビデオカメラやカメラを使う場面があります。機材の性能だけでなく、どの場面で、どの角度から、どの程度の距離で記録するかという判断も重要です。
パソコンの基本操作
探偵の仕事は、現場調査だけではありません。調査後には、依頼者へ提出する報告書を作成します。
報告書には、調査日時、場所、対象者の行動、写真、動画から切り出した画像、調査員の確認事項などを整理して記載します。
そのため、パソコンでの入力作業、画像整理、資料作成などの基本操作は必要です。
高度な動画編集スキルまで必要とは限りませんが、誤字脱字の少ない文章、時系列が分かる整理、依頼者が読んで理解しやすい報告書を作る力は重要です。
法律の知識
探偵は、法律を無視して調査できる仕事ではありません。
探偵には警察のような捜査権はありません。調査を行う場合も、住居侵入、ストーカー行為、違法なGPS使用、盗聴、個人情報の不正取得などに該当しないよう、法令を守る必要があります。
探偵が注意すべき行為の例
- 他人の敷地や建物に無断で入る行為
- 相手の車両などに無断でGPS機器を取り付ける行為
- 盗聴や盗撮など違法な方法で情報を得る行為
- 差別や嫌がらせにつながる目的で調査する行為
- 対象者の平穏な生活を害する調査
探偵として働くなら、探偵業法だけでなく、個人情報保護、ストーカー規制法、刑法、民事上のトラブルなどについても基本的な理解が必要です。
探偵の仕事内容
一般の人が探偵と直接関わる機会は多くありません。そのため、探偵という仕事に特別なイメージを持つ人もいます。
しかし、現実の探偵業務は、依頼者が抱える問題について、事実確認を行う仕事です。
探偵の主な業務
- 浮気調査
- 素行調査
- 人探し・所在調査
- 家出・失踪人の捜索
- 盗聴器・盗撮カメラの発見
- 信用調査
- 結婚前の身辺確認
- 嫌がらせやストーカー被害の事実確認
探偵は、依頼者の不安や疑問に対して、法律の範囲内で情報を集め、報告書として整理します。
ドラマのように事件を解決する仕事というよりも、依頼者が次の判断をするために必要な事実を集める仕事と考える方が現実に近いです。
探偵になるといくら稼げるのか
探偵になりたい人にとって、収入面も気になるはずです。
探偵の収入は、勤務先の規模、地域、経験、担当する業務、契約形態によって大きく変わります。
探偵事務所に勤務する調査員の場合、未経験から始めると収入は高くないこともあります。経験を積み、現場を任されるようになると収入が上がる可能性があります。
また、探偵事務所では、現場調査員だけでなく、相談員、契約担当者、管理者などの役割もあります。どの役割を担うかによって、収入の考え方も変わります。
独立開業した場合は、調査力だけでなく、集客、相談対応、契約、広告運用、報告書作成、経営管理まで自分で行う必要があります。
探偵の収入は実力と営業力に左右される
探偵の仕事は、結果と信頼が重要です。
依頼者から信頼される対応ができ、調査結果を分かりやすく報告できる探偵は、紹介やリピートにつながることがあります。
一方で、独立しても依頼が来なければ収入は安定しません。探偵として長く続けるには、調査技術だけでなく、相談を受ける力、広告やSEOなどの集客力、依頼者に説明する力も必要です。
探偵に向いている人
探偵は、誰でも名乗りやすい職業に見えるかもしれません。しかし、仕事として続けるには向き不向きがあります。
探偵に向いている人の特徴
- 長時間の張り込みや移動に耐えられる人
- 冷静に状況を判断できる人
- 細かい変化に気付ける人
- 感情的にならずに行動できる人
- 法律やルールを守れる人
- 地道な作業を続けられる人
- 依頼者の話を丁寧に聞ける人
- 守秘義務を徹底できる人
探偵には、派手な行動よりも、地道な確認、冷静な判断、正確な報告が求められます。
また、依頼内容には人間関係の悩みやトラブルが関係することも多いため、依頼者の感情に引きずられすぎず、事実を整理する力も必要です。
探偵は誰でもなれるのか
探偵になるために、学歴や性別だけで大きく制限されるわけではありません。
未経験から探偵事務所に入り、現場で経験を積む人もいます。前職での営業経験、接客経験、運転経験、事務処理能力、文章作成能力などが役立つこともあります。
女性の探偵も活躍できます。女性調査員だからこそ自然に入れる場面や、女性相談者が話しやすい場面もあります。
ただし、探偵の仕事には体力が必要です。長時間の張り込み、深夜や早朝の調査、車両移動、徒歩での尾行などが発生することもあります。
年齢だけで判断されるものではありませんが、体力、判断力、責任感、守秘義務を守る姿勢は必要です。
まとめ|探偵になるには、資格よりも実務力と法令遵守が重要
探偵になるために、特別な国家資格は必要ありません。探偵事務所に勤務する形であれば、未経験から挑戦できる場合もあります。
ただし、自分で探偵業を営む場合は、都道府県公安委員会への届出が必要です。また、探偵業法を守り、契約書面の交付や調査目的の確認など、適正な運営を行わなければなりません。
探偵の仕事には、尾行、張り込み、撮影、聞き込み、報告書作成、依頼者対応など、幅広い実務力が求められます。
探偵として長く仕事を続けるには、調査技術だけでなく、法律知識、判断力、守秘義務、集客力、相談対応力も必要です。
探偵になりたい方は、まず仕事内容の現実を理解し、信頼できる探偵事務所で経験を積むことから考えるとよいでしょう。
この記事の監修者
株式会社Nitto(日東探偵社)本部
記事の監修担当者:獅子田純華
人探し・所在調査・行動調査・嫌がらせ調査など、相談内容に応じた事実確認を行う日東探偵社の監修担当者。
探偵業法や調査目的を確認しながら、法令を守った範囲での相談対応と調査内容の整理を行っている。

