職場関係者や近隣住民から嫌がらせを受けた場合は、相手に対して相応の仕返しをしたいと感じる人は少なくありません。
しかし、とても腹正しいという気持ちから過激な報復をすれば自らが加害者となり違法性の高い法的問題に発展するリスクがあります。リスクがあるからと言って我慢や黙っていることが苦痛になるのならば、法に触れない方法で嫌がらせ犯人に仕返しをすることで負担となるストレスを軽減し安全に問題を解決することが重要です。この記事では、法に触れない合法的な方法で嫌がらせ犯人に仕返しをする方法を紹介しています。
この記事は、下記のような人におすすめです。
- 嫌がらせ犯人に対して合法的に仕返しをしたい人
- 法律に触れない仕返し方法を知りたい人
- 法的手段で責任を追及したい人
目次
証拠が残らず法に触れない仕返し方法
法に触れない仕返しは、嫌がらせを受けた際のストレス軽減する一つの有効な手段になります。法律を超えず身を守りながら相手に対して適切な対応する方法を理解することはとても重要です。
それぞれの方法については、以下の通りです。
気にせず堂々と自然に接する
嫌がらせ犯人は、相手が困っている状況を楽しんでいることを好みます。近隣住民や生活圏エリアが同じ住民であれば、顔を合わすことも多く、時には行く先で待ち伏せを行い嫌がらせを行って反応を見ていることがあります。その場合、暗い顔つきをしたりそわそわすると相手の思う壺になりますので、平常心で気にすることなく堂々と元気に挨拶をすることで、相手のペースにならず撃退することが出来ます。
話しかけられても聞こえないふりをしてその場を離れる
話しかけれても聞こえないふりをして無視することは、法に触れない仕返し方法の一つです。無視する行為は身体的な攻撃や違法性がないので有効です。
ただし、過度に無視する行為を続けると、問題が複雑化する可能性もあるので無視を実行する際は、冷静に状況を見極めて自分自身の立場を守るための方法と考えることが大切です。
視線をそらして目を合わせない
嫌がらせを行う人物と接する機会がある際は、目線をそらして目を合わせないことで、間接的に不快感を示すことが出来ます。目を合わせない行動は、関心がないことを示すことができ、効果的に嫌がらせ犯を拒絶する意思を伝えれます。
良き理解者を作り味方を増やす
嫌がらせ被害を受けている際は、よき理解者を見つけるために相談することで、孤立せずに対応できます。一人で悩むよりも、周囲の支援を得ることで精神的負担も軽減される期待があります。また味方を増やすことで一人ではないと思わせて批判や嫌がらせの被害を最小限に食い止めることができます。
実績や経験を積んで自己評価を高める
嫌がらせ加害者よりも実績や経験を積んで周囲からの評価される取り組みを行うことは、合法的に仕返しする最高の手段のひとつです。自分の評価を高めることによって、立場を逆転させ「レベルの差」を感じさせることができたら嫌がらせの被害もなくなる可能性が高いです。
隣人又は嫌がらせ犯の住所を知っている時の仕返し方法
近所の住民や隣人とのトラブルは、些細なことが原因で嫌がらせを受けることがあります。証拠が残らない陰湿な嫌がらせを受けている場合は、法的措置を求めても効果がなくケースも多いです。もし隣人や近所の嫌がらせを対処するためには、合法的な手段を使用することが重要です。以下に挙げられる方に触れずに嫌がらせの仕返し方法を紹介します。
周囲に迷惑をかけない受忍限度レベルで騒音をたてる
楽器演奏や窓を開けて大声をあげる大きな音は、迷惑行為として騒音になりますが、受忍限度の範囲で物音を立てて、法に触れない仕返しができます。受忍限度とは日常生活において通常の範囲で受け入れなければならない程度の音や振動のことを指します。普通に掃除機をかける音や洗濯機の音、子どもが遊ぶ際の足音などは受忍限度に該当します。日常的な音を故意的に立てることで、嫌がらせ犯に対して警告を与えることが出来ます。日常生活の範囲内での音は合法的に利用できる効果的な仕返し手段です。
自宅前に砂糖水や飴など撒いて害虫を集める
法律に触れない仕返し方法として、嫌がらせ犯人の自宅前に砂糖水や飴など害虫を呼ぶやり方があります。少し躊躇してしまうかもしれませんが、少量の砂糖水をまくだけでアリやその他の虫が集まり、相手に不愉快な環境を与えることができます。ただし、相手の敷地内に侵入した場合は、住居侵入罪に問われる可能性があるので注意が必要です。また他の住居者や近隣に対して悪影響がないかを確認することが大切です。この手法はあくまで短期的な対策に過ぎないため、根本的な解決にはつながりません。
近隣の住民に嫌がらせ被害を相談して味方をつくる
近所の人に自分が受けている被害を相談することで、共感やサポートが得られる可能性があり非常に有効です。被害を共有することで、嫌がらせ犯に対抗する集団の力を得られます。また近所の人の同様の被害を受けている可能性があるので全体的に力を合わせて嫌がらせ犯を撃退することができます。被害を打ち明けることにより、住民同士の信頼関係が深まり、強固なコミュニティを築くことができます。その結果、地域全体が安心して暮らせる環境つくりが問題解決へ向けた協力体制が整うでしょう。
正当防衛を利用した仕返し方法
嫌がらせされた仕返しに嫌がらせ犯人の家屋や物品、自転車や自動車に傷をつけたりタイヤをパンクさせたりする行為は、正当防衛に該当しません。突然蹴られたり殴られてしまったり身を守るために、暴力で制圧することは、正当防衛の範疇ですが、嫌がらせ犯の私物や物品を壊したりする行為は刑事罰を受けることになります。
正当防衛
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
【引用】刑法第36条｜e-Gov
正当防衛と認められる５つの要件
- 不正の侵害であるかどうか
- 急迫性があるかどうか
- 防衛行為の必要性があるかどうか
- 防衛行為の相当性があるかどうか
- 防衛の意思があったかどうか
インターネット上で罪にならない仕返し方法
インターネットやＳＮＳでの嫌がらせに対して法に触れることなく仕返しする方法があります。被害を合法的に対処できます。それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
公開された情報を引用する
相手のマイナスになる投稿を引用形式で紹介することは、合法的に仕返しを行える方法の一つです。風評被害や嫌がらせの文章など公開された情報を引用することで、自身も法に触れず相手の不適切な言動を周知させることができます。ＳＮＳ上で不適切な言動をしている投稿を引用リツイート形式で紹介し、自分のフォロワーに注意を促すことができます。直接的な攻撃を加えることなく、相手の行動に対する社会的な評価を下げることが可能です。
嫌がらせ被害の一覧を投稿する
嫌がらせ加害者からの行為をまとめて投稿することは、合法的な仕返しになります。加害行為を公にすることで、社会的なプレッシャーを与えることができます。被害を公開すれば、嫌がらせ犯自ら行動を反省し、嫌がらせ行為をやめさせる可能性が高くなります。ポイントとしては、具体的な証拠を集めて一つの投稿にまとめることが重要です。また録音や録画機材を利用しスクリーンショットなど可能な限り証拠を集めて一貫性のある形でまとめることが大切です。
x（旧Twitter）Instagramでの「報告」「通報」を行う
ＳＮＳアプリや掲示板サイトでの悪評や事実無根の話ななど風評被害の嫌がらせ被害があった場合には、ユーザー投稿に「報告」又は「通報」ボタンがあります。
通報機能を積極的に利用することが大切です。トラブルとる原因のユーザーからの被害を軽減しましょう。
仕返しのリスクを確認しましょう
法に触れない仕返しをすることはリスクがあり多くの問題を引き起こす可能性があることを知ることが必要です。まずは、仕返しをする際にどれほどのリスクが生じる可能性があるのかを確認しましょう。
被害がさらにエスカレートする可能性がある
仕返しを行うと、嫌がらせ犯の怒りが増幅して報復してくる可能性があり、被害がエスカレートするリスクがあります。仕返しの行為は、挑発的な態度と受け取られやすく、相手も反撃する態度が強める可能性があるので注意が必要です。しかし十分な証拠があれば法的措置を行うことで、身の安全を確保できます。
被害者から加害者になるリスク
仕返し行為は、被害者だからといって法律を超えた場合に逆に「加害者」となるリスクがあります。
法律ギリギリの嫌がらせを受けている仕返しに、法律違反すれば立場が逆転する可能性があるからです。嫌がらせ犯に対する仕返しの度を越えて、物的損害を与えると相手が警察に被害届を出した場合には、器物損壊罪となるケースもあります。そのため、仕返しする際は、どのような結果を招くかを十分に考慮する必要があります。
誤解を招き、人間関係が悪化する可能性
仕返しをすると周囲の人間関係が悪化する可能性があります。仕返し行為が周囲の人たちに不愉快を与えたり誤解を招くことがあるからです。もし職場内での仕返しであれば、同僚に仕返しを行った場合、その行為が他の同僚や上司、取締役などに知られて左遷や部署を変えられるなどのマイナス要因となる可能性もあるので、先手を打ち先に信頼できる社員や上司に相談を行う必要があります。
正当な方法で法にに触れない仕返しを行う成功ポイント
法に触れない仕返しを安全に成功させるためには、慎重な計画と実行が必要です。仕返しを成功するポイントを以下にまとめて紹介しています。
事前に法に触れないか確認する
仕返しを行う前に、自分の行動が法に触れないか確認することが重要です。長年続く陰湿な嫌がらせに苦しんでいる場合、怒りや憎しみなど感情が強く感情的になりやすく冷静になることが大切です。もし法に触れる行為を行ってしまうと、自分自身が犯罪者になり、法的な制裁を受ける可能性があるので確認しましょう。
嫌がらせ被害状況を記録する
自分が受けた嫌がらせ被害を記録することは、警察や探偵に相談する際に必要です。記録は対策や対処を効果的に行うために不可欠です。具体的な記録を残しておけば、法的手段を取る際や第三者に協力してもらう際に非常に有利になります。
- 嫌がらせを受けた日時、場所、内容（細かく記録）
- スマホのボイスレコーダーを利用して録画や録音
- 協力者からの証言や目撃情報
- ＳＮＳ上の書き込みのスクリーンショット
- 嫌がらせに関与している人物の情報を記録する
記録を取る習慣を養うことで、いつでも適切に対応する準備が整い、嫌がらせ行為に対してのリスク管理を行うことができます。
協力者を増やす
複数人から嫌がらせを受けている場合は、一人で対抗することは多勢に無勢で勝ち目がありません。そのため被害の状況を理解してもらえる協力者を増やすことが必要です。被害による苦しみを共感してもらえる味方がいることで精神的なストレスも軽減することができます。また嫌がらせ被害に対して向き合ってもらうことで、行き詰まっていた状況から抜け出す糸口が見つかります。
嫌がらせの相談ができる専門家
嫌がらせの仕返しをしたいと考えているが、法に触れることが怖い、また報復されることに不安をお持ちの方は専門家に相談をしましょう。嫌がらせに悩んだ際の相談先は以下の通りです。
警察署（生活安全課）
ストーカー被害、隣人からの嫌がらせや、騒音の嫌がらせ受けている場合は、警察に相談することが大切です。警察署の生活安全課では、住民が不安を感じる身近な犯罪の予防活動として、パトロールの強化や聞き取り調査などを行ってもらえます。警察に詳しく被害の状況を伝えるために、前述で説明した嫌がらせ被害の「記録」を持参して適切な措置を講じるよう働きかけましょう。
警察署に行けない場合は、電話相談ダイヤル「＃９１１０」に電話相談を行いましょう。
弁護士事務所
嫌がらせを受けて身体的な不調や精神的な病気を患ったりした場合には、精神的苦痛により慰謝料請求などを行えます。
また物を壊されたり落書きや汚されたりした場合は、損害賠償請求も同時に行えます。
弁護士事務所が受任できる内容は以下の通りです。
- 嫌がらせ犯に対して内容証明書を送付
- 嫌がらせの証拠をもとに示談交渉
- 示談が成立しなかったり相手が認めなかった場合には、民事調停の申し立て
弁護士に相談する際、嫌がらせの状況が具体的に分かるような証拠があると、より適切なアドバイスがもらえます。
探偵・興信所
防犯カメラを設置したり、自分で証拠を集めようとしても難しい場合は、調査のプロである探偵事務所や興信所に依頼をして確実な証拠を集めましょう。
費用については、特殊機材の使用や調査時間・期間・調査員の人数で変動しますが、相場として１０～５０万円くらいが目安です。
まとめ
この記事では、合法的に仕返しを行う方法を解説しました。
また法に触れない範囲での対策や、度が過ぎる仕返しを行うと逆に被害者から加害者になるリスクについても紹介しています。
被害者は、自身の状況に応じて、法に触れない仕返しを選択することが重要です。一般的な日常生活を取り戻すためには専門に相談することをおすすめします。
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