薬物再犯防止

元受刑者、最長5年受講
政府は、仮釈放された薬物犯罪の元受刑者らを対象とした再犯防止講座(再生プログラム)の内容を、大幅に拡充する方針を固めた。薬物犯罪の再犯率が高いことや、来年6月をメドに「刑の一部執行猶予制度」が実施されると、実社会で更生を目指す元受刑者が増えることから、更生プログラムを充実して再犯防止を図ることになった。

一部執行猶予導入時に・・・・

日本の犯罪は減少傾向にあり、刑務所の新規入所者は2005年からの10年間で約33㌫減少したが、覚醒剤犯罪による入所者の減少率は14%にとどまった。覚醒剤取締法違反の元受刑者が5年以内に刑務所に戻る割合も09年~13年の調査で49.8%に上っている。
新たなプログラムは、期間を現在の半年程度から最長5年程度に延ばすほか、対象者を覚醒剤使用者だけでなく➀覚醒剤の単純所持②大麻、シンナー、ヘロイン、コカイン。LSDなど他の薬物使用者らに広げる。危険ドラッグ使用者も対象とすることを検討している。
現行制度では、覚醒剤の使用者で、保護観察付の執行猶予判決を受けたり仮釈放されたりすると、原則プログラムを受講者となる。13年中に保護観察処分が始まった覚醒剤使用者は約4500人で、同年に受講を始めたのは1367人だった。一部執行猶予制度により保護観察の対象者は倍に、プログラム受講者も数倍程度に増えると見込まれるため、プログラムを実施する法務省では、実施場所や保護観察官の増員も検討する。現在の更生プログラムは、全国約80か所の保護観察所で実施している。飲酒や仕事上のストレスなどが薬物使用の【引き金】になることを自覚させ、他人の相談や気分転換で解消する方法を学ぶ。依存性が高い元受刑者は、その後も月1回、復習講座を受ける。ただ元受刑者の保護観察は半年程度で終ることが多く、プログラムの効果も不十分とされてきた。薬物使用者の更生には、専門的な医療機関や公的な施設での長期間の受診が効果的とされているが、こうした施設は全国に約40か所程度しかない。法務省が昨年4~6月に実施した実態調査でも、保護観察対象者の受診は約3%にとどまっている。一部執行猶予では、保護観察を受ける執行猶予期間が1~5年となることから、国が全面的に出る形で、元受刑者の社会復帰を目指すことになった。

刑の一部執行猶予制度って何?

判決を言い渡す際、刑の一部を実刑、残刑を執行猶予と分けることができる新しい制度。
● 現在は、実刑か、執行猶予しかない。
対象は、3年以下の懲役か禁固の刑で、原則として初めて刑務所に入る受刑者に限られるが薬物犯罪は再犯でも対象となる。
● 早期の社会復帰を実現する狙いがある。

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