マイナンバー便乗詐欺ご用心

国内に住む人に12桁の番号を割り振る共通番号(マイナンバー)制度に便乗し、個人情報を聞き出そうとする不審な電話が増えている。23日から「通知カード」の配達が始まり、11月にかけて各世帯に届くのに伴い、さらに増えることが懸念されており、警視庁などは注意を呼び掛けている。

高齢者に不審電話

国民生活センターによると今年4月以降、マイナンバーに関する不審電話などの相談は60歳以上の高齢者を中心に今月20日までに64件。このうち約6割の38件が今月に寄せられた。
関東地方の60代男性にかかった電話は業者を名乗り、「こちらでマイナンバーを管理します」と告げた。
九州地方の70代女性には、「生活センター」を名乗る男性から、「あなたの個人情報が企業3社に漏れている。マイナンバーがあれば何でも分かってしまう。削除してあげます」という電話がかかったという。

「通知カードの送付に乗じて不安をあおろうとする不審電話は今後さらに増える可能性が高い」

警察庁によると

1 口座番号や口座残高、家族構成といった個人情報を探る 
2 何らかの理由をつけて金銭を要求する

二つのパターンがある。全国の警察で把握したマイナンバーに絡む不審な電話やメール、訪問は、19日までの報告で37件に上り、消費者庁など官公庁を名乗るものが17件、企業を名乗るものが10件あった。

担当者は「マイナンバーや口座番号、資産情報について、役所などが電話で問い合わせることはない。

金銭を求められた場合、詐欺の可能性が高く、すぐに警察に通報を」呼びかける。緊急性のない相談や情報提供は、警察相談専用番号「#9110」や最寄りの警察で受けつけている。

内閣府番号制度担当室

マイナンバーの管理の難しさを誇張した商品販売や、不正な勧誘にも十分注意をしてほしいとしている。

マイナンバー監視・影響

政府・与党が年内に臨時国会を召集しなかった場合、住民一人一人に番号を割り当てるマイナンバー制度を監視する内閣府の外局「個人情報保護委員会」は来年1月、監視体制が十分に整わないまま発足する。
9人の有識者委員のうち4人は新たに国会同意が必要だが、年内に同意人事の議決を得られなくなるためだ。
個人情報が流出する懸念を抱えるマイナンバー制度は来年1月、委員の欠員という異例の状況での運用開始となりかねない。

個人情報保護委員会

先の通常国会で、安倍政権が提出して成立した改正個人情報保護法で新設が決まった。制度を監視する第三者機関として昨年発足した「特定個人情報保護員会」(堀部政男委員長)の陣容と権限を強化する目的で、改組する。晴雨とは距離を置いた第三者の立場で、住民のプライバシーを保護するのが狙いだ。

監視機関

行政機関や企業・団体が持つマイナンバーに結びつけられた氏名、性別、生年月日など「特定個人情報」の取り扱いに関するルールをつくる。制度が本格的に施行される2年後には、個人情報の漏えいや目的外利用などが疑われる場合に、立ち合い検査や指導する権限も持つ
委員長と委員8人の計9人で構成。学識経験者を選び、国会の同意を得て首相が任命する。発足時の事務局の規模は約50人。定数9人委員中、5人は既存の「特定委員会」の堀部委員長ら全委員長5人が就任予定。残り4人を国会の同意を得て新たに選任する。

来年の発足時に、9人全員がそろうには年内に臨時国会を開いて人事の同意を得なければならない。監視機関5人が決まっているため委員会は開けるが、4人も欠員になるとチェック機能は弱まる。

政府

マイナンバーを個人の戸籍情報や病歴と結び付け、納税や社会保障などに生かそうとしている。ただ、日本年金機構から大量の個人情報が流出したことで、住民にはマイナンバーや個人情報が流出して不正利用されるのではないかという不安が強い。政府は自ら監視機能の強化を打ち出しておきながら、臨時国会を避けたいという自らの都合で、それらを遅らせようとしている。

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